「魔女の家」考察(5):ゲーム中の設定について

目次

5F暗闇の部屋で、エレン(ヴ)の顔は、なぜ暗闇や腕時計を取った後に赤黒くなるのか?

  • 小説で「暗闇」が出てくるのは、エレンが両親を殺した後の裏路地か、目が潰れたヴィオラ(エ)が見る景色。
  • 路地裏は5F右側の牢屋の部屋と対応すると考えるのが妥当なので、候補から外れる。
  • エレンが凶悪な顔をするのは、エレンがヴィオラと体を交換した後にヴィオラを笑い飛ばすとき。
    • また、ヴィオラがエレンの幻影を見たときにも、同じ顔をしていた。
  • 腕時計の道具説明には「死ぬ」の二文字だけが書かれている。
    • 基本的に道具説明には客観的な描写がなされ、句点(。)で終わるが、句点すらないこの説明は異常。
    • 句点が無いという特徴は張り紙と共通しているので、家の意思またはヴィオラからのメッセージか。
  • 暗闇がヴィオラ(エ)が見た景色だとすると、自然なようにも思える。
    • 翡翠にパイプは仕掛けが解けないようにヴィオラが隠した。
      • 「せっかくかくしておいたのに」というメッセージが家の意思だとすると、家の意思が隠した可能性もある。
    • 赤黒い顔は実際には本来のエレンの顔であり、暗闇では本性が現れた。
  • 腕時計で顔が変化するのは謎が残る。
    • 解釈1: 腕時計はヴィオラ(エ)が仕掛けた罠だった。
      • エレンはヴィオラに殺されることを確信しつつ、それが無意味なことだと笑い飛ばした。
      • だとすると、他のケースでも凶悪な顔になる可能性もあるが、エレン(ヴ)の死因はほぼすべてが即死。
        • エレン(ヴ)が自身の死を確信できつつ、死ぬまでに余裕があるケースは限定されている。
        • 確認できた範囲では、毒スープを飲んだときと、腕時計を取得した場合のみ。
          • 特に、ヴィオラ(エ)の意思がメッセージから確認できるのは、腕時計を取得した場合のみ。
        • ちなみに、凶悪な顔にはならないが、毒スープを飲んでHPが減ると、顔色が悪くなる。
    • 解釈2: 腕時計はヴィオラ由来(ヴィオラまたはヴィオラの父)のものだった。
      • 腕時計を見てエレンはヴィオラのことを思い出し、本性を現した。

魔女の家は、小瓶を取った後になぜ住民が死に、全体的に赤黒く変化するのか?

  • 理由の解釈候補。
    • 解釈1: ヴィオラ(エ)が魔力を戻しつつある途中経過で、その余波で魔女の家の住民が死んだ。
    • 解釈2: 小瓶の香りはエレンにとっての絶望なので、香りが漏れ出て魔女の家の住民が死んだ。
  • 特に異質なのは、 5F の柱時計が黄色い花を食べているところ。
    • 時計は家にとって重要であり、時計が生き長らえる(魔力の流出を補う)ために花(の魔力)を食べた?
    • ただ、この咀嚼によって時計は時を刻むのを止めており、本末転倒にも思える。
      • 逆に言うと、時計は家の魔法や家の意思とは独立した意思を持っているのかもしれない。

「紫色のもや」は何か?

  • 「紫色のもや」は、ゲーム最終局面のチェイス以降発生し、最終的に家を包み込む。
  • 小説では、悪魔の本体を描写する表現として「紫色のもや」という言葉が使われている。
  • 安直に考えると、エレン(ヴ)が本体を見せて以降、悪魔が家全体に広がっていったと解釈できる。
  • だが、黒猫の悪魔はチェイス開始前に既にその場を去っている。なので、このもやは悪魔そのものではない。
  • 別の解釈を模索すると、「家の魔法」は悪魔の一部であり、それが発露した、と考えられる。
    • 黒猫はヴィオラ(エ)によって「家の魔力が戻される」「家の魔法が消える」と述べている。
    • こじつけだが、「家の魔法」は黒猫の悪魔の存在の一部を注いだものだと考える。
    • 「家の魔法」が消えて、その元となった魔力や魔法が解放されると、悪魔と同様紫色のもやになる。
    • チェイスが進行する度にヴィオラ(エ)は家の魔法を吸収し、魔法が霧散して、紫色のもやが広がる。
    • 最終的に家の魔法は完全に霧散して、家の意思も消滅し、紫色のもやが家を包み込む。

黒猫はなぜ家の魔法を解いたら死ぬのか?

  • 正確には「家から魔力が消える」「家の魔法が消える」「黒猫が巻き添えで消える」という順序。
    • 「家から魔力が消える」から「黒猫が消える」という因果関係ではない。
      • 言い換えれば、黒猫の魔力がヴィオラ(エ)に吸収されるという理由ではない。
    • あくまで「家の魔法が消える」ことが「黒猫が消える」ことの原因である。
  • 「黒猫が巻き添えで消える」ということから、巻き添えにならなければ(=逃げれば)消えるのを避けれる。
  • 先述の「紫色のもや」の考察を整理する。
    • 家の魔法には黒猫の悪魔の存在の一部が注がれている。
    • 紫色のもやは、ヴィオラ(エ)が家の魔力を戻す過程で、家の魔法が霧散して現れるものである。
  • ここから推測すると、ヴィオラ(エ)の行為は悪魔の存在を霧散させるレベルの影響があると考えられる。
  • この悪魔の存在を霧散させる影響から逃れるために、黒猫は家から離れたと考えられる。
    • ヴィオラ(エ)の行為の影響範囲は、彼女を中心とした一定範囲だと考えられる。
    • その影響範囲から離れれば、黒猫の悪魔は「巻き添え」を避けられる。
  • 逆に言うと、ヴィオラ(エ)の影響範囲内にいると、紫色のもやとして霧散して(=消えて)しまう。

ゲームオーバーについて

  • ゲーム中では、エレン(ヴ)が死ぬとゲームオーバーになる。
  • 黒猫のモノローグによると、黒猫は「彼女が望むなら、何度も元通りにさせてやった」と述べている。
    • 同時に「本当はいけないんだけど」とも述べており、悪魔が人間に直接干渉するのは禁忌なのかもしれない。
    • 「悪魔は実体を持たず、人間を殺せない」というのも、能力的なものではなく規律的なものかもしれない。
  • しかし、最後にヴィオラ(エ)がエレン(ヴ)を追うときは事情が違うかもしれない。
    • 家が元の姿に戻るとき、黒猫は家を離れており、あのチェイスには干渉していなかったと思われる。
      • つまり、ヴィオラ(エ)がエレン(ヴ)を殺しても、身体を元通りにすることはできなかった。
    • また、ヴィオラ自身も、自身の望みを「エレンを殺す」でも「身体を返してもらう」でもないと述べている。
    • 当然ながら、チェイス中にヴィオラ(エ)に捕まったときもゲームオーバーになる。
    • 加えて、チェイスが始まった時点で家は元の姿に戻っており、家の力を借りることはできなかったと思われる。
      • このときのヴィオラ(エ)は、ナイフで刺せば殺せるほど貧弱だった。
  • 結論として、チェイス中のゲームオーバーは、エレン(ヴ)ではなくヴィオラ(エ)の死を意味しうる。
  • 予想される具体的な展開は以下の通り。
    • まず、ヴィオラ(エ)はエレン(ヴ)を逃さないためにエレン(ヴ)に追いつく。
    • しかし、ヴィオラ(エ)はエレン(ヴ)にしがみつくだけで、殺す力は残っていない。
    • エレン(ヴ)はヴィオラ(エ)の体を更に傷つけ、ヴィオラ(エ)は絶望して死ぬ。
      • もしくは、小瓶をかけて殺す。
      • あるいは、放っておいて家を出て、ノーマルエンドと同様に父に撃たれて死ぬ。
    • その後、エレン(ヴ)は悠々と家を出ていく。
  • 黒猫がいなくなった後、チェイスが始まるときにセーブできるが、これも常時とは違う意味があるかもしれない。
    • ヴィオラ(エ)が絶望しない限り、チェイス(=自分が死ぬ運命)をやり直す力が残っているのかもしれない。
      • 紫色のもやの考察からすると、悪魔の存在の一部を取り込むことでそういう力を得たのかもしれない。
    • その場合、ヴィオラ(エ)がやり直す(エレン(ヴ)を逃がさない)ためのセーブかもしれない。