「魔女の家」考察(3):魔女の家・先代魔女について

目次

魔女の家について

  • エレンの家は、薄暗い色の石壁に、赤い色の屋根が映える、二階建ての屋敷。
  • エレンの家は、ヴィオラの家、もしくは村から見て南西方向にある。
    • エレンの部屋は、日が傾いた時間に窓から光が差し込む(小説描写)。
    • (北半球の場合)「日が傾いた時間」の太陽は南西方向にあるはず。
      • 物語の季節は夏なので(多分晩夏だが)、夕暮れ時だとすると西に近いかもしれない。
    • エレンの部屋はゲームでは上側に窓があるので、ゲームの上向きは南西方向ということになる。
    • また、ゲームの下向きに道がまっすぐ伸びているので、村は北東(少なくともそれに近い)方向。
  • 村の言い伝えで「森の奥には魔女が住んでいて、迷い込んだ子供をさらう」と言われていた。
    • エレンが長剣の男に家の外に放り出される以前は「子供」ではなく「人間」と表現されていた。
    • 実際には子供も大人も区別されていなかったが、分別のつかない子供だけが襲われたという話かもしれない。
  • ゲーム中の言及について整理する。
    • <1>「魔女の家は意思を持つ。」
    • <2>「魔女の家は悪魔が魔女に与えた魔法。」
    • <3>「魔女自身が姿をあらわすとき 魔女の家は 元の姿に戻る。」
    • <4>「魔女の花が枯れるとき魔女も死ぬ。」

<1>「魔女の家は意思を持つ。」

  • 「魔女の家は意思を持つ」というのがいつからなのかは不明。
  • 先代魔女が「魔法」になっているはずなので、先代魔女の意思があると考えられる。
    • 実際、黒猫もエレンも明らかに先代魔女のみを指して「彼女」「家の意思」と呼んでいた模様。
  • 先代魔女が来る以前から魔女の家にも何らかの意思があった可能性はある。
    • 先代魔女は人殺し(に伴って魔女の家が与える)恍惚感に囚われたと黒猫が言っている。
    • なので、意思は無かったとしても、少なくともそういう機能はあった。

<2>「魔女の家は悪魔が魔女に与えた魔法。」

  • 家で使える機能は「魔女の家という魔法」由来と思われる。
    • 魔女の意志に応じて姿形を変えたり、家の周囲を見渡したりできる魔法。
    • エレンが悪魔を認識できなかったのも、この魔法自体の制約かもしれない。
      • 普遍的な理由(悪魔の魔力が特殊、魔女同士や悪魔同士が位置を特定できない等)ではないかもしれない。
  • 「魔女の家の魔法」は元々黒猫が持っていた魔法である。
    • 先代魔女が魔女の家を与えられていることから、遅くとも先代魔女が来るまでにはできていた。

<3>「魔女自身が姿をあらわすとき 魔女の家は 元の姿に戻る。」

  • 「~すると(if)」ではなく「~するとき(when)」と表現されている。
  • なので、普遍的な法則ではなく、特定の時間の出来事を指していると考えられる。
    • 言い換えれば、「(どんなときでも)魔女自身が姿を表すとき家も元の姿になる」という訳ではない。
    • 「魔女自身が姿を表す(という、とある出来事が起きる)とき、家も元の姿になる」と解釈すべき。
  • 具体的には「ヴィオラ(エ)が姿をあらわすとき魔女の家は元の姿に戻る」という事実を指すと考えられる。
    • ただ、この本が読める時点ではまだヴィオラ(エ)は現れていない。
    • とはいえ、本が読めるのはエレン(ヴ)の小瓶入手後なので、家の意思には十分予想できる未来。
  • 「元の姿」とは、恐らく普通の洋館の姿。このときは殺傷能力等はなかったと思われる。
    • 洋館が悪魔によって改造されて「魔女の家」になった。この時点で人殺しが高揚感を与える機能もあった。
    • 先代魔女はこれを更に凶悪化した。少なくとも、先代魔女の意思が宿った。
    • エレンとヴィオラチェイス時には紫色のもやがかかるが、洋館自体は「元の姿」だったと思われる。

<4>「魔女の花が枯れるとき魔女も死ぬ。」

  • これも「~すると(if)」ではなく「~するとき(when)」と表現されている。
    • もしこれが普遍的な法則だとすると、「魔女の花を枯らせば魔女は死ねる」ということになってしまう。
    • これは「絶望することが魔女の死ぬ条件」という設定と矛盾する。
  • つまり、「魔女の薔薇が(小瓶で)枯れるとき、ヴィオラ(エ)が死ぬ」という事実を指すと考えられる。
    • 正確には「枯れた後」だが。また、<3>と同様の理由で、これは十分予想される未来だった。
  • エレン(ヴ)が家から脱出後、 Extra では魔女エレンの人影(恐らく家の意思or先代魔女)が現れる。
  • エレン(ヴ)がそれに近づくと、人影はこちらに手を振って消え、直後に家は紫色のもやに包まれる。
    • 逆に言えば、紫色のもや(またはそれを生じさせた現象)が、家の意思を消した原因と思われる。
  • 先代魔女は「魔法になった」と表現されている。
  • 正確には「魔女の家の魔法」の一部に(家の意思という形で)組み込まれたと予想される。
  • エレンにとっても、魔女が「魔女の家」という「魔法」になることは自然に連想できることだった。
  • また、このことは「悪魔が魔女を魔法にできる」という事実も意味している。

先代魔女について

  • 先代魔女は(小説版の笑い声からすると)女の子である。
  • 家の意思が先代魔女と同じだとすると、(少なくともゲーム中の)先代魔女の見た目はエレンと同じである。
  • 先代魔女がエレンと同じ姿形を選んだだけなのか、元の彼女も同じ姿だったのかは不明。
  • エレンと同じ姿を取ったという解釈が妥当だが、黒猫の趣味に起因するという可能性も無くはない。
    • 黒猫は同い年(7歳くらい)の金色の目を持つ人を好み、服も黒猫が与えている。
    • そこが黒猫の趣味で一緒になるなら、後は髪色と髪型が一致していればエレンと同じ姿になる。