目次
- 「魔女の家」考察(1):注意事項等。
- 「魔女の家」考察(2):主要キャラクターの考察。
- 「魔女の家」考察(3):魔女の家・先代魔女の考察。
- 「魔女の家」考察(4):魔女の家の仕掛け・住民についての考察。
- 「魔女の家」考察(5):ゲーム中の設定に関する考察。
- 「魔女の家」考察(6):本記事。ゲーム外の設定に関する考察。
長剣の男について
- 長剣でエレンを窓から叩き出した男を、「長剣の男」と表記する。
- 小説の展開の概要を整理する。
- 長剣の男は、一刀目でエレンを窓から叩き出し、二刀目はエレンの首を切り飛ばした。
- エレンは「男に首を切り飛ばされた気がするが、黒猫に首をくっつけてもらった記憶がない」という。
- 一方、黒猫は「君を殺したと勘違いして男は帰った」と言う。
- エレンも「魔法を使って彼を追い払ったが、どんな魔法を使ったか思い出せない」と言う。
- ここで、どのように長剣の男を追い払ったかについて、2つの解釈ができる。
- 1つ目の解釈は、エレンが首を跳ね飛ばされた幻覚を見せただけで、実際は切られていなかった。
- 一刀目でエレンが切られなかったことを考えると、二刀目でもエレンは切れないのではないかと思われる。
- 黒猫は「長剣の男がエレンを殺したと勘違いした」と述べている。
- 言い換えれば、エレンの首が切られたことは勘違い(事実ではない)で、ただの幻覚だった。
- エレン自身も「魔法を使って追い払った」と述べており、これは幻覚魔法を使ったことを指している。
- 2つ目の解釈は、実際にエレンの首が跳ね跳ばられた後、エレンが魔法を使い、魔女の回復力で回復した。
- エレンは首を切られた後に、無意識で何かしらの魔法を使って長剣の男を追い払ったことになる。
- 黒猫が「勘違いさせた」と言っていることから、幻覚魔法ではあると思われる。
- 1つ目の解釈は、エレンが首を跳ね飛ばされた幻覚を見せただけで、実際は切られていなかった。
- 長剣の男の長剣について。
- エレンは「特別な剣だったのかだろうか」と述べている。
- 言い換えれば、家の魔法に守られたエレンには、物理攻撃は一切効かないのが普通なのかもしれない。
- 描写はないが、エレンが来訪者に直接手を下したという記述はあるので、家の中では安全なのかもしれない。
- そういう意味では、魔女の家の魔法を貫通して、エレンを切れないまでも叩き出したのは、特別な力と言える。
- 長剣の特別な力の由来は何かは不明で、解釈の余地がある。
- 長剣の特別な力は、別の悪魔や魔女が与えた魔法の存在の示唆なのかもしれない。
- あるいは、「神の教え」という概念が出てくるので、神(悪魔に対立する存在)の存在を示唆する?
なぜ黒猫はエレンが人間と会うときに姿を消すのか?
- 少年と会っていたときのことを考えると、人間に嫉妬するからとも考えられる。
- ただ、その後エレンが人間を食料と見なすようになってから(=嫉妬しようも無くなってから)も同様だった。
- 事実として、魔女の家に人間が来ることや、そこで人間が殺されることは、黒猫にとっては脅威ではない。
- ヴィオラが遊びに来たときや、ゲーム中のエレン(ヴ)は、魔女の家で黒猫と何度も会っている。
- エレン(ヴ)=人間が死んでも黒猫には何の影響もなく、何度も蘇らせている。
- つまり、黒猫は人間と一緒に魔女の家に留まることはできた。
- しかし、敢えて常時は姿を見せなかったということになる。
- 想像できる解釈としては、黒猫はエレンが自身の悪行を黒猫のせいにしないようにした。
- 黒猫がいちいちエレンに指図したり付き添ったりしていたら、エレンはどう思っただろうか?
- 恐らく、エレンはあらゆる不幸や殺人の罪悪感を黒猫の責任だと転嫁したかもしれない。
- だが、黒猫がいなければ、エレンは自分の行動を自分の責任でやっていると感じる。
- 言い換えれば、エレンは自身の(歪んだ)行動を、自身の意思、自身の判断だと考えるようになる。
- それによって、エレンの心の成長(あるいは歪み)を促進させたかった。
- ヴィオラが来たときは、もう歪みきったエレンを単に観察するためにそこにいた。
- 他にも、ヴィオラやエレン(ヴ)の来訪では見られなかった現象が関わっている可能性もある。
- 候補はあるが、具体的になぜそれが理由になるのか等は不明。
- 例えば、エレンが魔女の家の魔法(特に強力な魔法)を使うときは、黒猫は一緒にいられない等。
エレンはなぜ悪魔の位置を掴めないのか?
- 逆に言うと、それ以外はすべて認識できていたということになる。
- 魔女の家の中の住民や家具等(ただし時計は除く)。
- 魔女の家の魔力が及ぶ範囲の動植物。
- 位置が掴めないだけで、黒猫や烏の外観を観測することはできる(小説描写)。
- 見えるというだけで、会話までは聞き取れない(ただの鳴き声に聞こえる)可能性はある。
- 何らかの普遍的な理由がある可能性はある。
- 例えば、悪魔には魔女の魔法が(少なくとも実体には)効かない等。
- 「魔女の家・先代魔女について」で考察した通り、「魔女の家の魔法」の制約の可能性もある。
- つまり、黒猫が「魔女の家の魔法」で悪魔の位置を特定できないように制約をつけていた。
- いずれにせよ、ここで悪魔が特定できない理由は、時計の存在を特定できない理由と近しいと思われる。
- 悪魔に魔女の魔法が効かないという普遍的な法則があるとすると、時計も悪魔に近しい存在ということになる。
- 黒猫が魔法に制約をつけたとすると、黒猫にとっては時計も隠したい存在だったということになる。
- 時計に関する考察は後述。
魔女の家の時計はどのような意味を持つのか?
- 事実の整理。
- エレンは時計の存在を掴めない。
- 時計は家の中に複数ある。柱時計だけではなく、腕時計もある。
- 時計の場所と関連するイベントは以下の通り。
- 1Fの廊下の柱時計。
- テディベアを籠に入れた後、廊下を下から上に移動する(柱時計の影ではないかもしれない)。
- 水をかけると時計が止まり、その後部屋移動すると暗闇に包まれ、時計の鐘の音と共に死亡。
- この柱時計は家が元の姿に戻っても同じ場所にある。
- 4Fのクイズの部屋の柱時計。クイズ正解後、女王のネジが出てくる。
- 5Fの黄色の花の部屋の柱時計。調べると倒れてきて死亡。また、小瓶入手後に黄色い花を食べる。
- 5Fの暗闇の部屋の腕時計。持っていくと首を吊られて死亡。
- 腕時計の道具説明は「死ぬ」の二文字だけが書かれている。
- 腕時計取得後、ヴィオラ(エ)の顔が凶悪になる。
- 腕時計を取得せずに戻ると、腕時計がある机や空間ごと消える。
- 1Fの廊下の柱時計。
- 逆に、エレンの部屋には時計が無い。
- 時計は、魔女の魔法によって変化する家にも関わらず、常に同じ場所にある。
- 家の構造が変わるのに「同じ場所」という表現は不思議。
- 家の中の構造は相対的ではなく、絶対的な基準があるということか。
- 時計は「家の心臓の鼓動」というような表現がされている。
- 時計は4階のクイズの答えである。
- クイズは張り紙に書かれており、張り紙を出したのは家の意志と思われる。
- クイズの内容は「砂」「太陽」「鳥(鳩)」で、間違えると「花」「腹」が追加される。
- クイズの他の候補は、男女の像(エレンの両親?)・鏡・赤(椅子)・植物。
- クイズは張り紙に書かれており、張り紙を出したのは家の意志と思われる。
- 5Fの老樹は「ときをきざむもんにはさわっちゃいかん」と述べる。
- Extra だとこれに加えて「このいえのもんじゃないようだ」と話す。
- 魔女の家の外の時計については、エレンの家にもヴィオラの家にも秒針を刻む時計があった。
- 「このいえのもんじゃない」時計は、いつ魔女の家に持ち込まれたか?
- 時計の歴史では、家庭用の腕時計や柱時計は早くとも16世紀頃(正確な時計は17世紀)に広まったらしい。
- エレンが数百年の時を過ごしていることからも、エレン誕生の直前の時期に広まったと思われる。
- 先代魔女も長命だったとすると、魔女の家の時計もエレンが来たのと同時期に持ち込まれたか。
- 少なくとも、魔女の家ができた当初は無かったと考えられる。
- そこまで時代考証されていない可能性もある。
- もしもっと昔からあったとすると、黒猫の悪魔と深い関係があることも考えられる。
- 「最近持ち込まれたという事実」と「魔女の家の中での立ち位置」の不整合について。
- 時計は、エレンが来る直前か同時期に持ち込まれた。
- 一方で、「家の心臓の鼓動」という重要な役割を担っていることが示唆されている。
- しかも、小瓶入手後には花を食べて時を刻むのを止めており、自分の意思を持っている可能性もある。
- このような存在が魔女の家の心臓部を握っているというのは、少し不自然。
- 途中から持ち込まれている上に、家とは異なる(反する)意思を持つ可能性まである。
- 可能性としては、エレンが来る前に、魔女の家の心臓部として時計が持ち込まれたと考えられる。
- 想像だが、先代魔女が来た(あるいは魔法になった)ときに、魔女の意思の心臓部として時計が追加された。
- 心臓を止めると人間の命が止まることから、時計を止めると「家の意思」が消えると連想される。
- 魔女が死ぬ原因が絶望であることと併せて考えると、時計は先代魔女の絶望と関連すると考えられる。
- 例えば、「時計を止める(あるいは時を刻めなくなる)」ということが、先代魔女の絶望だった。
- 絶望を避ける(時間を刻み続ける)ために、先代魔女は複数の時計を持ち込んだ。
- 勝手に時計に触れられないように、先代魔女は魔女の家の意思の力を以て時計を隠した。
- 具体的には、「魔女の家の魔法」では時計の位置が分からないようにした。
- あるいは、「このいえのもんじゃない」、特殊な力を持つ時計を持ち込んだ。
- 「このいえのもん」が「魔女の家の魔法由来のもの」と考えると、そういう時計を作る魔法があった?
- もしくは「黒猫の悪魔由来のもの」と考えると、別の悪魔の魔法で作られた(あるいはもらった)?
- 想像を広げると、時計は先代魔女の希望だったのかもしれない(あくまで想像だが)。
- 先代魔女は時を刻めなくなる事態を避けるために、時計を増やしたいと考えていた。
- そのために黒猫の悪魔やその知己の悪魔に魂を捧げて、見返りとして(特殊な)時計を得ていた。
- 時計の特殊性は、例えば、位置を悟られないとか、意思があるとか、時代に合わせて変化するとか。
- ただし、そんな特殊な時計の割には、水が弱点(水をかけただけで止まる)。
- 取引については、エレンが病期の進行を抑えるためにカラスの悪魔から薬を得ていたのと同様。
- 時計の特殊性は、例えば、位置を悟られないとか、意思があるとか、時代に合わせて変化するとか。
- 最終的には殺人の恍惚感に囚われ、当初の目的を忘れて、家の魔法になった。
- こじつけだが、シンデレラの考察と併せて考えると、零時を告げる時計の重要性と関連させられそう。